「オリエント急行殺人事件」のお話。
『オリエント急行殺人事件』の結末を知らない方は読まないでください。
知らない方は今すぐTSUTAYAやらGEOやらに向かって『オリエント急行殺人事件 (2017)』だけでいいので借りてくるか、Amazonに飛んでレンタルか購入をして見てください。
別にそんなに興味無いからいいよ(笑)って思ってる方も損だと思うので今回だけは僕の提案を受け入れてください。笑
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この作品に初めて触れたのはさっき出てきた2017年公開のケネス・ブラナー監督&主演の映画。
作品名はもちろん聞いたことあったけど中身は知らなくて、名探偵系 好きだし、キャストもめちゃ豪華だったのも相まって、確か公開日に観に行った。
ラストに驚愕したのは忘れられない。
ミステリーっていうと、犯人が1人、多くても2,3人っていう固定観念があったから、色んなこと考えながら探しながら観てたのに、裏切りにも程があるくらいだった。笑
他のミステリー作品を利用するかのようでもあって、本当に名作だなぁと。
それが舞台化するってなって、ほとんど列車の中だけの話だから、細かく区切られて色んな部屋がある狭い列車の中をどうやるのかなぁ。って感じだった。
最初 乃木の公式では、純奈はメアリ・デブナム役って発表されて、2017年の映画ではスターウォーズでレイ役も務めたデイジー・リドリーがやってた役どころ。
うわ。めちゃめちゃ良いの貰ったじゃん。
って喜んでたのに、ちょっと経ったら発表のページから役名が消えてて、
いざちゃんと発表されたら、アンドレニ伯爵夫人。笑
映画だとスーパー箱入りドラッグ娘()だから、あらら〜?って思ったけど、他の役名も結構 違ったから映画とは違う感じなんだなぁ〜と。
本人に聞いたら、
"結構 喋るよ"
って言われて、謎の安心。笑
でもずっと、
"やばい。"
って言ってビビってたのウケたな()
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時が流れて初日。
劇場内に足を踏み入れたら、舞台上にはでっかいオリエント急行の列車。
オールディーズ系のTHE洋楽が流れてて、ワクワクしたなぁ。
わりと前の方で観れてたから、次々と視界の端から乗車する登場人物達が集まってくるのはめちゃめちゃ楽しかった。
全員乗車して、いざ出発。
オープニングがたまらん楽しかった。。
大好きなんだよねぇ舞台のオープニング。
話の概要をギュッとして全員出てくるあの感じが。
曲も良き良きの良き。
キリがないからこんなところで舞台上の話は終わりにして(突然)、
終わってみて、
すーーーごくなんとも言い難かった。
推しメンの貴婦人さと若さの所作と、相変わらず台詞が無くてもすげぇし、
他の演者さんみんな流石としか言い様がないし、
舞台としてあそこまで組み立てるのはすごいことだと思ったし、
めちゃめちゃ楽しかったんだけど、
俺が映画を観た時に得たあの衝撃と同じもの、あるいは近しいものを、この舞台を観終えた時にも受け取れるのかな。って気になってしまった。
映像作品と、比べるというか同じ線上に乗せるのがとってもナンセンスなのは分かってるけど、
どうしても、結末を知ってる人向け、に観えたから、初めて触れる人はどう感じるのか気になった。
でもほんと楽しかったなぁ。
小西さんかっこいいし、小西さんかっこいいし、小西さんがとってもかっこよくて()、
緻密に組み立てられてる一人一人の台詞と動きはすごかったなぁ。
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初日を観終えた時、
あぁ。この作品にもこの要素が絡んでるのかぁ。。
って、思考の果てしなさを感じた。
その要素は前回書いたお話。
オリエントでは特に 善と悪の差 ってところかな。
冒頭でポアロも語りかけてきたけど、正義とはなんなのか。っていう。
今作は、何をもってして人は悪を悪と判断するか。が1つの要点だと思う。
真実を晴らすことだけがポアロにとっての正しさであり善であった訳だけど、
悪を心に抱く人は死んでしまっても構わない、っていう心のどこかにあった気持ちをポアロは否定できずに嘘を選んだ。もちろん他にも原因はあるけど。
ただ俺が気になるのは、確かにラチェットはろくでもない悪人なんだけど、ポアロ達も視聴者の僕らも、犯人側からの見方しか持ってないんだよねぇ。
偏見とも言えちゃう。
前に僕の高校時代からの親友が、
「偏見って 偏った見方 ってのが一般的だけど、偏ったものを見て生まれてるもの でもある」
的なことを言ってて、なるほど。って思ったことがあるんだけど、
その1つだと思う。
乗客達の過去は明かされる。ラチェットより色んな面を見れる。感情的な所も、人を想っている所も。
一方、ラチェットに関しては横暴な態度と過去の大罪しか見えなかった。
そりゃポアロも視聴側も犯人に肩入れしちゃいがちになる。
確かに結果的に5人の命を奪っていて、罰を受けずに逃げて、映画ではラチェットとして生きている間も詐欺じみたことをしていて、きっと本当にただの悪人なんだと思う。
でも仮に、ラチェットが罪を悔いていたら?
仮に、ラチェットのことを大事に想う人がいたとしたら?
全部たらればの話だけど、可能性が無い話じゃない。
その情報がもしあったらこのお話はどう転んでたんだろう。
そして、今後 似たような事件に直面したらポアロはどうするのか。
もしも犯人達が罪を重ねることがあったとしたらポアロは何を思うのか。
きっとポアロ自身もその もしもの自分の未来 が怖くて、一度揺らいだら戻れない。ってことを理解しながら乗客を救った。
何年も費やして騙し続けて明確な殺意を持ってた犯人達は、悪 ではないのか。
何をもってすればそれを断じることができるだろう。
前後のポアロの思考が気になって、ポアロシリーズを全部 読まないと分からないんじゃないかな。とも思ったけど、
正義とはなんぞや、っていう問いかけは今回の舞台で特に強くされてた部分だと思うから、原作を追っても答えにはならないんだろうな。
まず、フィクションだから考えても無駄なんだけどさ(自滅())
まぁ、
改めて 人間 を考えた作品だったなぁ。
大阪と千穐じゃ全然違ったねぇ。
伊藤純奈さんはやっぱすごいや。
『天守物語』のことも書いときたいんだけど、なかなかまとめるには難しくて、そのうち残せればいいなって感じ。
心には残りすぎてる。
ね、推しメン
次は神宮かな?